人間不振な眼差しの中でも、少しづつ人に近づいていこうという気持ちが見え隠れする女の子です。
犬同士の関わりを見ると、本来はとてもひょうきんな性格だということがわかります。

北関東の郊外にもう10年以上前から行政の指導を受けていた多頭飼育現場があります。
地元のボランティア・警察・愛護センターなど沢山の人が関わってきたにもかかわらず飼い主は犬を増やし続け、適正飼育を怠ってきました。
未避妊の雌雄が混在し、子犬が生まれては地元のボランティさんが引き取るといういたちごっこの繰り返し。
中には飼い主が引き渡しを行わず、殺されたり、そのまま人に懐かない野犬のような犬になってしまった子もいます。

攻撃こそしないものの人に懐かない犬50頭。
衛生環境は悪く、病気の犬や怪我をした犬も少なくありません。
このままではいけないと思い立ち、複数の地元ボランティア団体と協力をしあって、現場から一頭でも多くの犬を引き取り、飼い犬としての人生を歩ませてあげたいと思っております。

現場にいる犬の殆どが小楢ちゃんのような、極度の怖がりで、人が近づくと逃げ惑う子ばかりです。
例にももれず小楢ちゃんも、人が近づくと全力で逃げようとします。
抱っこも勉強中なので、コントロールはリードで行っております。
リードを付けると思いの外素直についてきてくれます。
こちらが触っても噛むわけではなく怖い怖いとなるだけではありますが
距離が縮まるのにはまだ少し時間がかかるかもしれません。

最近では我が家の先住犬とふざけ合う姿も見られ、
やっと犬らしく振る舞ってくれるので一安心しています。
トイレは先住犬の真似をしてなんとなくトイレシートをわかってくれており
もちろんお庭に出してもすぐにしてくれるので、非常に楽な子だなという感想です。

彼女の生きてきた人生を思うと、圧倒的に人から与えられた愛が足りておりません。
怖がりの彼女ではありますが、徐々にこちらに近づいてきてくれるその変化を楽しんでくださるご家庭に。