小さくて吹き飛んでしまいそうなプードルの男の子です。
長い間手入れもされていないであろう絡まった毛に覆われており、まさか外飼だったんじゃないだろうかと疑うほどボロ雑巾のような状態でセンターに収容されておりました。
人に対しても怯えており、センターの収容ケージの隅にへばりつき、死を待つだけの表情でおりました。
飼い主には愛されてはこなかったのでしょう。
独り床に固く丸まって過ごしてきた影響なのか、背中が老人のように丸まり、抱っこをするとゴツゴツと触る骨がガラス細工を思わせました。
センターでその姿を見てしまい、一にも二にもなく、「引き取ります」と宣言をして引き取ってきました。

グシャグシャのボロ雑巾を剥ぎ取ると、
くりくりお目々が非常に可愛らしい小さなプードルさんが現れました。
薄い耳のせいなのか歩くとぴょこぴょこと頭上で揺れる個性的なお耳がとにかくに非常に可愛いです。

多すぎる要望はありません。
長い散歩も必要ありません。
広いお部屋でなくでも大丈夫です。
ただただ深い愛情と、温かいぬくもりと、美味しいご飯。適切な医療。それだけで十分です。

最期の何年かを、この子が愛されて過ごした記憶で埋めてください。
この子の最後の目に映る日々が、光と優しさに満ちていることを願います。