かなりくたびれた様子のダックスフントのおじいちゃんです。
保健所に収容されましたがお迎えは来ませんでした。
初対面から、愛されては来なかったんだな、ということがよくわかりました。
歯肉炎を放置された結果上顎が溶けて目の下に貫通し膿んだ顔、
ダックス特有のしなやかで長い尻尾は中途半端な長さに切られ、
陰睾は去勢もされずに放置され、
肋骨の軟骨の一部は奇形で変形しており、後にそこの腹腔に穴が空いていたことも判明しております。
術前検査で膀胱に石も見つかっていました。
明らかな不調にも関わらずまっとうな医療すらかけてもらえず、ここまでなんとか生きながらえてきたようです。
彼が持つ元々の生命力が強いのでしょうか。
本当によく生き長らえて来てくれました。

満を持して全身の不調を手術していただきました。
歯肉炎の原因になる歯は抜歯し、顔の傷もふさがっております。
陰睾もしっかりと取り切れております。
腹腔の穴も塞いでいただき、膀胱の石も摘出が完了しております。
内科的な不調はなく、外科的な処置ですべて完了しました。
※結石も珍しいケイ素とのことで、特に特別な療法食等も不要です。
今は傷も癒え、ごきげんな日々を送っております。

性格はシニアのダックスらしいマイペースさ。
ご飯は大好きでご飯のためならあらゆる引き戸を開けていきます。
人と寄り添って眠るのが好きで、スムースダックスらしい高めの体温で人にくっついてきます。
お気に入りのベッドに他の犬が入ってしまうと、恨みがましい顔をして、じっと退くのを待っています。強行突破はしないのです。

こんなにぼろぼろになって捨てられたのに、
明るくひょうきんでごきげんな性格はおそらく彼の天性のものなのでしょう。
こちらが彼を救うつもりが、逆に救われたような気持ちになる、そんな犬なのです。

最後の日々は人のそばで過ごさせてあげたいです。
美味しいものと、穏やかで優しさに溢れる日々。
ささやかなそんな日々を彼にプレゼントしてくださる方からのご応募をお待ちしております。