チワワミックスの多頭飼育崩壊現場から、茨城県の動物指導センターに収容されました。
1軒屋でオスもメスも入り混じって家庭内野良犬となっていたチワワミックス達。
現場では子犬も生まれていたようで
5匹生まれていた子犬の中の一匹が彼でした。

動物指導センターで対面した際は他の権高な兄弟とは引き離され
処置室のダンボールの中で不安そうにしておりました。
その姿を見た私と当団体ボランティアは息を呑みました。
目が腫れ上がり破れ、出血をしていたのです。
両目は絶望的と思われました。
800gの小さな彼には負いきれないほどの痛みだったはずです。
一刻も早い医療処置が求められました。

「この子の兄弟は？」と職員に確認すると
「都内の団体からの予約が入っています」とのこと。
目の悪い、一刻も早いレスキューが必要な彼のことは放っといて
彼以外の健康で可愛らしい他の4匹の兄弟だけを持って帰る選択ができる動物愛護団体が世の中に存在することに
燃えるように冷たい感情が、ぶわっと湧き上がりました。

それはレスキューではない。
仕入れというのだ。

即引取を決めました。

預かりボランティアさんの懸命の点眼で目の状態は改善。
現在は特に点眼する必要もなく日々楽しく暮らしております。

全盲ではありますが、先天的に全盲であったであろう彼には
特にそれはハンデではなく、
聴覚、触覚、嗅覚などあらゆる感覚を駆使してハンデを感じさせない日々を送っております。

大型犬の子犬とも対等に遊び、
家の間取りは感覚で把握しているのか物にぶつからないように上手に暮らしています。
お庭ではビュンビュンと走り回るのです。
音の鳴るぬいぐるみがことのほかお気に入りで、咥えて走り回っております。

お散歩も練習中ですがかなり上手にできるようになりました。
ご飯になったら自分のケージにササッと入ります。
もちろんぶつからずに、です。

トイレもペットシートを認識、
お留守番もお手の物。
無駄吠えもなく、チワワの強さもなく、
安定感のある性格です。

まだまだ遊びたい盛りのお子様ですので
先住犬がいる場合、彼のしつこい遊ぼう攻撃を喜んでくれるような犬でないと疲れてしまうかもしれません。

性格はミラクルがつくほどパッピーボーイです。
彼の太陽のような明るさがきっと家族に笑顔をもたらしてくれるはずです。

彼のこれからの日々に光が射すことを祈ります。