群馬県動物愛護センターより引き取りました。

愛護センターの檻の中で、
悲壮感とは程遠い表情で「お外出して！遊ぼう！」止めをキラキラとさせニコニコ顔で訴えかけてきたのが初対面。
表情とは裏腹に、本来チャームポイントであるべき豊かな被毛は
長年放置された毛の束と、茶色い土汚れで非常にみすぼらしく見えました。
今ですら抱きしめたいほどふわふわで可愛らしい男の子ですから、
子犬の時は天使が舞い降りたのかと思うほどの愛らしさだったでしょう。
彼はフィラリア強陽性。
天使のように可愛い子犬を、
当然のように外飼し、
フィラリア予防もせずに繋ぎっぱなしにしたのかと思うと
飼い主の神経を心から疑いたくなります。
40度近い酷暑が続く夏の群馬県。
豊かな被毛は、彼に苦しみしか与えなかったでしょう。

逃げ出した彼を、探しもしなかった飼い主。
令和の時代になっても、
犬をまだ当然のように外に繋ぎ、
フィラリア予防もせず、
可愛がりもせずボロボロに保ち、
いなくなっても探さない飼い主が山程いるのです。
群馬県は毎週のように犬猫の殺処分が行われています。
飼い主が探さなかった収容犬に待っているのがどういう未来なのか
知らなかったとは言わせません。

強陽性の収容犬は愛護センターからの一般譲渡にはまわりません。
私はそれが彼にとってどういう意味を持つのかを知っています。
そのため、その場で引き取りを決めました。

我が家にやってきた彼はを早速洗ったところ、
サモエドのようなモコモコのぬいぐるみ犬に変身してくれました。
人生初であろうブラッシングをするとものすごい量の毛が取れました。

性格に問題ありのわが家の犬ともうまく馴染める非常にコミュニケーションスキルの高い犬であることがわかりました。
売られた喧嘩も買わない。
喧嘩を売られそうになっても避けられる。
挨拶がとっても上手。
先住犬軍団ともあっという間に溶け込み、ずっと同じ群れでしたけど？というぐらいの態度で
犬たちと家中を我が物顔で楽しそうに歩き回っています。

お散歩も大好きで、初対面のお散歩ボランティアさんともなんの疑問も持たずにお散歩に出発し、
「全然引っ張らない穏やかで夢のようなお散歩時間でした！」と感動を与える程度にはお散歩上手。

もしかしたら人間の残飯をもらっていたのかもしれません。
ドッグフードに慣れておらず食べムラがあります。
徐々に良質なドッグフードに慣れてもらっているところです。

初日こそ不安で少し吠えましたが、
翌日からすっかりわが家に馴染み、ケージの中でも大人しくお留守番ができます。
ケージ内での粗相は一切しません。
トイレは外派。

フィラリア陽性ですので、治療を開始し通年投与で陰転を目指しています。