前橋市保健所より引き取りました。

前橋保健所はねこがいつも満員御礼。
職員の方が1匹づつ猫を紹介していく中で、
「この子はもう色々大変でした」と、指さしたのがこんこんでした。

前橋市内の公園に遺棄されていたこんこん。
明らかな悪意を持った遺棄だったと断言できるのは、
発見された当初、
ねずみ取りの粘着板に挟まれその上ビニールで巻かれて息も絶え絶えの状態だったそうです。
どれぐらいの長い時間、飲まず食わずだったでしょう。
公園でこんこんを発見した人が警察を呼び、
事件として形式上は捜査されたそうです。
もちろん犯人なんて見つかるはずはありません。

息も絶え絶えの猫を警察ではどうしようもなく、休日にもかかわらず呼び出された保健所職員が自宅に連れ帰り、
食用油で何とか鼠取りの粘着剤を取り除き、
何度も何度も洗ってくれたそうです。

青い目をした痩せた小さな男の子でした。
引取時もまだ取りきれない粘着剤で被毛はガビガビしていました。

この小さなかわいらしい子猫に、
死に至ると分かりながらもそんな酷い仕打ちが出来る人間が、
善良な市民の顔をしてその辺にいるのかと思うと震えます。

そして何と、同じような月齢の、同じような顔をした
オレンジタビースポットの子猫が市内のそれぞれ別の場所から点々と発見されました。
犯人は、わざわざ前橋市内のいろんな場所に子猫たちを遺棄したんだと思います。

一緒に引き取ったひらりちゃんがその中の1匹。

君たちは幸せにならないといけない。
人の手で、絶対に幸せに生きていかないといけない。と、強く思いました。

当の本人は人を嫌うわけでもなく、
むしろなぜこんな目にあったのに人が大好きなのかと悲しくなるほど人が好きです。
常に人の周りをまとわりつき、隙あれば膝の上に陣取ります。
抱っこをするとギュッと抱きしめてきて胸に顔を埋め、一生懸命フミフミします。
親愛の情が行き過ぎると人の顔をざりざりとした舌で舐めてきてくれます。

とにかく人が好きで、人を愛してくれています。

こんな愛に満ちた甘ったれの彼を受け入れてくれるご家族を募集します。