茨城県動物指導センターより引き取りました。

茨城県動物指導センターでは多数の猫を管理するため
子猫、成猫、エイズキャリア猫、白血病キャリア猫の部屋に分かれています。
ものすごい子猫の量が収容されますので
猫専門団体は子猫をなんとかさばくため、子猫を優先に引き出しているところがほとんどです。
その後がノンキャリアの成猫。
エイズキャリア・白血病キャリア猫達は引き出し団体も少なく収容が長くなってしまうのが現状です。

彼女はそんなエイズキャリア猫の部屋にいました。
センターに収容されているエイズキャリア猫達は何故か一様に超人懐こい猫ばかりで、
人が部屋に入ってくると大歓迎で迎えてくれます。
初対面の際、彼女も大歓迎でお出迎えしてくれました。

猫たちが収容されている狭いケージは、
薄いレギュラーのペットシートが一枚敷いてあり、それにおしっこもうんちもするシステム。その上に寝るシステム。

薄暗い小部屋の中、殺されずに生かされているだけの日々。

鼻筋がしっかり通った小顔で、手足も胴も長く、
しなやかな動きがイエネコではない生き物のように思えました。
どの猫たちも「ここから出して出して」と訴えてくる中で
彼女の「出して！」が一番悲痛に感じられたのが彼女の引取の理由でしょうか。
正直たくさんいる猫から1匹を選ぶことはいつもとても迷うのです。

引き取った彼女は家でも異彩のオーラを放ち、王者の風格があります。
甘えん坊だけどおもちゃ遊びは興味はなく、
ただただ人との触れ合いを欲しています。

エイズキャリア。
響きだけで敬遠されがちです。
キャリアとは病気は発症してないけどそうなる因子持ってる状態。発症までにはかなりの年月がかかり、発症せずに天寿を全うする猫もいるし、飼い主が体調管理をしっかりしてあげて、病気の持ち込みとかに注意して、丁寧にケアする事でリスクが軽減できるのはもっと大々的に宣伝したほうがいいはずです。

・発症しない猫もいる
・飼い主のケア次第でリスク軽減可能

まだまだやりようがあるエイズキャリア猫。

ゴールデンが癌になるのと同じぐらいのリスク。
柴犬がアレルギーになるのと同じぐらいのリスク。
ダルメシアンが結石を持っているよりもきっと低い確率。
10歳のキャバリアが心臓病であるよりもずっと低い確率。
ダイソンの異名を持つビーグル犬が何かを誤飲するよりも絶対に低い確率。

そして、耳を垂れさせるために骨軟骨形成異常にわざとしているスコティッシュフォールドが関節炎で苦しむよりもずっと低い確率。
※私の勝手な体感値です。
エイズキャリアについて、その発症率を低いと取るか高いと取るかは感じ方次第だと思います。

できればエイズキャリアごと愛してあげてほしいです。
一匹で飼った方がいいタイプの猫様です。
猫飼育初めてでも非常に手がかかりません。

家に野性味あふれる黒豹（のような生き物）が居る生活、いかがでしょうか？