ガリガリに痩せ細った状態で、群馬県の保健所に収容された小さな小さなポインター。
数年前も同じ場所で複数の小ぶりのポインターが遺棄される事件がありました。
利根川の河川敷は猟犬の捨て場として悪名が高く、定期的にガリガリに痩せ細った気のいい猟犬たちが保護されます。

彼女も、例に漏れず同様の手口と思われます。

去年の同時期にもそっくりのガリガリのオスのポインターを保護したばかりでした。

センターの狭い金属ケージの中に入れられた彼女との初対面は
ギョッとするようなものでした。
気が狂ったように吠えまくり、ケージの中でジタバタと暴れまくり
出して出して出して出して！！！の大騒ぎ。
こりゃあ、やばい子を引き取ることになりそうだ・・・と腹をくくりました。

しかし、お家につれて帰り、1週間で我が家での暮らしにすっかり溶け込み、
あのときあそこで大暴れしていた犬は何だったの・・・？と、ケージの中の毛布の上で静かにすやすや眠っている彼女をまじまじと眺めながら思うのです。

甘ったれであることは紛れもなく、
フリーにすると在宅勤務の家の者の膝の上で小型犬のように丸くなったり
背後のクッションの上でゴロゴロしたりして過ごしています。
なんとペットシートを認識しており、ふとトイレに行きたくなるとそそくさとシートまで行き用を足せるのです。
おそらく外の犬舎のような所で飼われていたはずなのに、どうして空気を読んでちゃんとすべき所で用を足せるのでしょうか。
ケージの中で居るときにトイレに行きたくなっても同様に、おトイレだから出して出してと教えてくれるのです。

夜寝るときも、ベッドにするりと潜り込んできて朝までヘソ天で爆睡。

他の犬達には超低姿勢。どんなサイズのどんなテンションの子とも揉めることなく過ごせます。

ただ、ガリガリであることからもわかるように
飢えた経験が彼女にはあります。
そのため、お家の中にご飯のありかを熟知し「ここにご飯ありますよね？ね？ね？」としつこくしつこくご飯を狙います。
ご飯もものすごい気迫で食べるので、与え方注意です。

そしてお散歩はご飯と同じぐらいに好き。
ハーネスとリードを手に持っただけで、この世の終わりのような（？）喜び方をするのです。
ハーネスを着けるのも一苦労。
しかし装着が終わってしまうと、永遠と楽しいお散歩タイムを過ごさせてくれます。

狭いところに長時間閉じ込められ、
それでも嬉しいと千切れんばかりに尻尾を振る彼女は
その代償に尻尾の先が壊死してしまっております。



彼女を思う存分甘えさせ、思う存分お散歩に連れ出してくださるご家庭に。