太陽のようなキラキラ笑顔の小柄な女の子です。

北関東の郊外にもう10年以上前から行政の指導を受けていた多頭飼育現場があります。
地元のボランティア・警察・愛護センターなど沢山の人が関わってきたにもかかわらず飼い主は犬を増やし続け、適正飼育を怠ってきました。
未避妊の雌雄が混在し、子犬が生まれては地元のボランティさんが引き取るといういたちごっこの繰り返し。
中には飼い主が引き渡しを行わず、殺されたり、そのまま人に懐かない野犬のような犬になってしまった子もいます。

攻撃こそしないものの人に懐かない犬60頭。
衛生環境は悪く、病気の犬や怪我をした犬も少なくありません。
このままではいけないと思い立ち、複数の地元ボランティア団体と協力をしあって、現場から一頭でも多くの犬を引き取り、飼い犬としての人生を歩ませてあげたいとレスキューを始めました。

レスキュー開始から3年。
現場の犬たちも60頭から15頭程度に減り、なんとか飼い主の親戚などで管理ができる頭数に落ち着きました。
その中で唯一最初から敷地外に出て捕まらなかった未避妊のメスがおりました。
この度出産をし、子犬たちを保護したタイミングで捕獲に成功。
引取を申し出たところ飼い主が拒否（アニマルホーダーの典型的思考だと思います）、現場に繋がれた状態となりました。

しかし程なくし、飼い主の家が火事になります（家のすぐ脇で焚き火をし燃え移った）。
現場の犬たちを、近所の親戚たち、消防、警察がなんとか避難させてくれ
彼女も命からがら焼死を逃れました。
今度こそ、と彼女を引き取らせてもらいました。

壮絶な生い立ちではありますが、彼女自体は非常に素直で、他の犬とも仲良くできる、飼いやすい女の子です。
初日からシャンプーも、お散歩もできるのでこちらとしても拍子抜け。

初めての室内生活でもトイレの粗相もなく、お外派。
ご飯も完食。抱っこもできます。

預かりボランティアさんのお宅の、ちょっと気難しい先住犬もうまく立てて、揉めずに過ごすことができる、
犬付き合いという面では、稀有な存在でしょう。

ただ、長年の半野良犬生活と、壮絶な生い立ちから
身体能力はあるので高い作でも飛び越えてしまう可能性があります。脱走対策は厳重に。
また、半野良犬は昼夜逆転生活だったようで
夜中にウロウロガタガタしてしまったり、ケージレストもまだ好きではなかったりします（好きではないですが家庭犬として慣れて貰う必要があります）。
現在家庭犬のルーティーンを勉強中です。

元来素直な子ではありますので、徐々にできることも増えていっているかなと思います。