群馬県動物愛護センターより引き取りました。

群馬の山奥の村で放浪していたところを保健所に収容されました。
小さな村なので珍しい犬種を飼っていれば知られているでしょうし、
ましてはこの老犬が長距離を移動してきたとも思えないので
悪意を持った明らかな遺棄であることは間違いないでしょう。
被毛もぐちゃぐちゃで毛玉が分厚く鎧のようになっており、
口の中もケアされたことがなかったのでしょう。
グラグラの歯が何本もあり、すごい臭いを放っておりました。

団体を立ち上げて最初に保護した犬がこの犬種だったこともあり
非常に思い入れのある犬種ということもあり、即引取を決めました。

明るく穏やかで、非常に愛らしい、イングリッシュコッカースパニエルの良いところだけを残したような男の子です。
ただ、どんなに性格が良くても、ハイシニアの犬はセンターでは一般譲渡対象にはならず処分対象となります。

預かりボランティアさんのお家では、同じくシニアの先住犬と
揉めずに仲良く過ごすことができています。

ひどい毛玉はきれいにカットし、
去勢手術の際に、グラグラの歯は抜き、歯石を取ったところ口の問題は概ね解決。

この耳の厚くて垂れた犬種にありがちな外耳炎を患っており
現在点耳薬をつけています。

ハイシニアだから多動なのか、もともとも犬種特性で多動なのか、
元気に歩き回っているかと思ったら、急に電池が切れたように寝ております。
シニア犬を飼ったことがある方はこの愛らしさは伝わるはずです。

現在特にこれと言って治療中なのは外耳炎ぐらいで大きな疾患を患っているわけではないです。
手もかからず可愛いだけのおじいちゃん。

最期の何年間か、
この犬の決して幸せではなかったであろう人生に素晴らしい思い出を作ってくださるお家を探しています。