常時150頭以上の犬が収容されている茨城県動物指導センターより引き取りました。

茨城県茨城町は県内でも特に野犬の収容頭数の多い自治体の一つで、
30キロ級の大型の野犬の群れが、林や畑を縦横無尽に走り回っております。
すベての犬の捕獲ができない以上、繁殖は防げず、
子犬もどんどん生まれてしまっている現状です。

同じ地区で捕獲される犬たちの特徴として
・協調性があって穏やか
・遊び好きで攻撃性がない
・非常に頭が良く、空気を読む
・素直でおっとりしている
ということが挙げられます。

少し大きくなった子犬という風貌で、センターに収容された彼は
同じぐらいの月齢の子犬たちと団子になって部屋の隅で震えていました。
困った狼顔の男の子。

今ここで引き取らないと、この子は人に懐かず大きくなるだけで何年もこの場所で過ごす羽目になってしまうでしょう。
同じように子犬時代に引き出しがされず何年もセンターで過ごした犬を引き取ったことがある私は
今引き取ることが彼の人生において絶対必要であると確信しました。

引取予定の頭数からオーバーはしていましたが
無理して連れ帰ってきました。

連れ帰ってきて、その選択は正しかったと確信しました。
相変わらず個々の群れの犬は手がかからず非常に協調性があるので
1頭増えても正直こちらのお世話の負荷は変わらない、というのが正直な話。
（もちろん一頭一頭お散歩に行き始めたらそういうわけには行きません）

最初は怯えるだけで、同じ血統の野犬たちとも遊びませんでしたが
初日に自分のハウスだけはあっという間に理解し、
トイレは外派なので、お庭に出てトイレを済まして自分のハウスに戻ってくることは2日目でマスターしました。
どんなに怯えていても、決して人を噛むようなことはありませんでした。
引き取ったその日にシャンプーをしてもじっと耐えておりました。

1週間ほどで、ただの遊び好きの子犬に変身してくれました。
先輩犬たちには非常に可愛がられる弟キャラ。

預かりボランティアさんのお宅に移動し、本格的にお散歩練習を始めると
人との距離も近くなり、そのお宅のお子さんにまっさきに心を開きました。
先住の猫さんたち、超小型犬、先輩の大型犬達にも上手に配慮ができる天才です。

はしゃぎすぎず落ち着いており、トイレの粗相は一切ありません。

今ではお散歩もスイスイと。

スラリと伸びた脚と、野性味のある狼顔は
大人になったら「何犬ですか？」と通行人に聞かれるような風貌になることでしょう。
今から成長が楽しみです。