常時180頭以上の犬が収容されている茨城県動物指導センターより引き取りました。

茨城県茨城町は県内でも特に野犬の収容頭数の多い自治体の一つで、
大型の野犬の群れが、林や畑を縦横無尽に走り回っております。
すベての犬の捕獲ができない以上、繁殖は防げず、
子犬もどんどん生まれてしまっている現状です。

同じ地区で捕獲される犬たちの特徴として
・協調性があって穏やか
・遊び好きで攻撃性がない
・非常に頭が良く、空気を読む
・素直でおっとりしている
・多頭飼育・猫や子どもとの生活に向いている
ということが挙げられます。

通称「秋葉犬」。

捕獲された直後のセンターで対面しました。
顔が黒く、シェパードの子犬を思わせる長く太い足と長く太いマズル。
つぶらな瞳がキラリと輝いていました。
捕獲されたばかりの野犬ではあるものの、人と対峙した際の落ち着きは
この子の元来の穏やかで聡明な気質を感じました。
体は大きいけれど、まだまだ子犬らしさが残っています。

引き出し直後に預かりボランティアさんのご自宅に移動し
人との暮らしが始まりました。

末っ子気質で、いつも誰かと居たいタイプ。
食いしん坊でもの覚えが早いのには驚きました。
オイデ、スワレ、マテを教え始めましたがすぐマスターしそうな勢いです。
なんでもかんでも先住犬の真似をしているので
良き指南役になる先住犬がいる場合、こんなに扱いやすい子もいないかもしれません。
不安になってピーピーと鼻を鳴らしますが、知らんぷりしていればそのうち諦めてくれます。
そういうところはまったくしつこくなくさっぱりとしています。

お散歩を覚えたらもうお散歩が大好きになり、門を出るとルンルンで歩き始めます。
しなやかで長い尻尾は嬉しくていつもゆらゆらしています。
まずは先住犬さんの後をついてお散歩練習をしています。
単独散歩は短距離から練習中です。

途中に出会う知らない人のことはまだ怖がり、固まったり後退りしますが
ご協力いただける方にはおやつをあげてもらって、人も怖くないんだよということを学んでいます。
おやつは手から優しく食べられます。

無理にリードを引っ張ると抵抗してパニックになるので、怖い思いをさせず、彼のペースで学習を進めています。
苦手なものは避けて、距離を十分に取りながら少しずつ少しずつ馴らしてあげています。

もちろん野犬ですので首輪やハーネスのすっぽ抜け、リードの絡まりやカンの壊れ等で逸走した場合に備えて
散歩中もオイデ練習を行っています。

ごはんはケージ内で上げています。
ドライフードだけでもぺろりと完食。
好き嫌いもなくご飯に関して警戒心もないようです。

退屈になると、物を齧ったりシートを剥がしたりするのはまだまだパピー。
音が鳴るオモチャなどを与えればそれはもう楽しく遊んでいます。
先住犬とはワンプロをしたり、おもちゃを取り合ったりしてそれはもうよく遊びます。
遊び好きの明るい元来の性格が出てきたようです。

就寝時は誰か（人・犬）のそばで寝たがりますが
クレートで朝まで寝ることも可能です。
お留守番もケージ内で静かにすることが出来ます。

トイレは完全に外のみ。
一日4回お散歩やお庭に出すとすんなりとしてくれます。室内での粗相はありません。

爪切り、足裏の毛のカット（バリカン）、歯磨きも可能。
ただし、まだ足先を拘束されると嫌～んとするため、タイミングや姿勢に気を配り、ご褒美をあげながら少しずつ行っています。

先住の猫たちとは鼻で挨拶をし、後を追ったりはしません。
そのあたりは非常におりこう。
お散歩であった他犬には控えめに興味を示しますが激しい興奮などはありません。

まだまだ伸びしろ十分。
明るい性格の美しい犬に成長するのが楽しみな男の子です。

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