群馬県動物愛護センターより引き取りました。

高齢の飼い主が亡くなり
親戚中に持て余され
保健所に持ち込まれた男の子。
愛護センターで対峙した際、吠えることもなく檻越しに尻尾を振ってきてくれました。

状況から放置されて生きてきたんだろうなと思われます。
外にいるだけで熱中症になるような群馬の地で
ずっと外で飼われ、
フィラリア予防もされず、ブラッシングもされず、
撫でたり触ったりもされず、絶望して生きてきたのでしょう。

生まれた時に、
もしまともな飼い主の家の子になっていたらこんなボロボロじゃなかったでしょう。
こんな辛い姿でセンターの檻の中にいるような犬ではありません。

とびきりイケメンだから、
王子様って呼ばれながらクーラーでキンキンに冷えた部屋の一番涼しい場所を陣取って
お散歩は保冷剤を巻かれて、
「暑くてかわいそうだから5時半起き〜」と飼い主を困らせながら暮らしていたろう。
毎月ピカピカにトリミングをされていたでしょう。
「ちゃんと」飼えないのならば犬は飼わないでほしいです。

お家に入れてみたらなんとお利口さん。
トイレは完全に外派手フリーにしていても一切の粗相なし。
お散歩は大好きで楽しそうにどこまでも歩きます。
出発直後の引っ張りはちょっとありますが、後半になって落ち着くと安定したお散歩が出来ます。

他の犬にはあまり興味はなく、そつなく過ごせます。
ただ、興味があってじゃれついてくる子犬は嫌そうにします・・・
無駄吠えは一切なく、お散歩前にピーピー鼻鳴きをする程度。

触られてこなかった犬のためベタベタ触られるのは苦手です。
ただ、預さんの努力で人間に触られるのも悪くないかも？と思い始めたところです。

予防もせず外飼いだったのかフィラリア陽性。
ただ、まだ治療で陰転可能な状況で、心臓などへの負担も進んでおりません。
クッシングの症状は投薬でコントロールできています。

今までの分を取り返すには、
放置されすぎた時間が長すぎました。
ただ、これからの彼の人生を1秒でも長く、少しでも幸福を感じるように過ごしてもらいたいと考えています。
彼の人生の後半戦を素晴らしい日々にしてくださるご家庭に。

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