常時180頭以上の犬が収容されている茨城県動物指導センターより引き取りました。

茨城県茨城町は県内でも特に野犬の収容頭数の多い自治体の一つで、
大型の野犬の群れが、林や畑を縦横無尽に走り回っております。
すベての犬の捕獲ができない以上、繁殖は防げず、
子犬もどんどん生まれてしまっている現状です。

同じ地区で捕獲される犬たちの特徴として
・協調性があって穏やか
・遊び好きで攻撃性がない
・非常に頭が良く、空気を読む
・素直でおっとりしている
・多頭飼育・猫や子どもとの生活に向いている
ということが挙げられます。

通称「秋葉犬」。

茨城町と隣接する小美玉市の与沢地区で捕獲される白い秋葉犬の群れがあります。
ずんぐりむっくり秋葉犬の中でもシュッとしてスマート、どことなくオリエンタルな雰囲気を醸し出す一群です。
そんな与沢の秋葉犬の一頭と思われる彼は
センターでの収容も長くなり、センタースタッフの目に止まりお散歩練習を開始した犬でした。
何回かのお散歩練習ですっかりお散歩に慣れ、
人との触れ合いを喜ぶようになったそうです。

私が引き出す犬を決めかねていた時に、颯爽とリードで引かれて現れ、
フサフサな尻尾を高々と上げ、まるで飼い犬のように優しく尾を振り挨拶をしてくれました。

すぐにでも家庭に出せるような名犬を、センターで埋もれさせてはいけないと判断し
引取を行いました。

センターではチェーンで繋がれふれあい犬ゾーンで係留されていたり、
個別房で過ごす期間も長かったので
当然ケージ慣れしているのかと思いきや、
我が家に来て1週間はケージを我慢できたものの、
突然ケージ嫌期に突入してしまいました。

センターでの果の見えぬ個別房での日々がトラウマになってしまったのかもしれません。
人との生活で、とにかく人のそばにいたがる犬になりました。

人がリビングで寛いでいると、机の下の犬ベッドに収まりゴロゴロと過ごし、
人が2階の寝室で寝る体制に入るとそそくさと寝室に忍び込み、犬ベッドでゴロゴロと過ごします。

ベタベタする犬ではなく、静かに近くに居たいようです。

ケージに入れないからお留守番どうしようかなとも思いましたが、
「どうにでもなれ！」とフリーでお留守番をさせたところ、
それはもう優秀に穏やかにお留守番ができました。
家の中のものを壊すこともなく、盗み食いもなく、他の犬とは程よく距離を取り、
穏やかに静かに過ごしています。

家の中で粗相をしたのは最初の何回かだけ。
後はトイレの失敗もなくフリーで長時間のお留守番もこなしてくれました。

お散歩は引っ張りゼロのエアリーなお散歩で、
嬉しそうにぼんぼり尻尾を高く上げて揚々と歩きます。

25キロの犬の散歩と思えないほどの穏やかさです。
猫が飛び出してきていきなり引っ張る、なんてこともなく、
優雅なお散歩が楽しめます。

ケージ慣れはご飯のときに中に入れるようにするところから練習中です。

人との距離をまだ測っている側面もありますし
雄犬ならではのプライドの高さもある気がします。

自分から喧嘩を売りには行きませんが
無作法にじゃれついてきた子犬には、しっかり脅し含めて怒っていました。

我が家では群れの中で問題なく管理ができましたが
犬とは相性を見る必要があると思います（犬に興味のない犬とは相性がいいと思います）。

フィラリア陽性ではありますが
ボルバキア治療を行い早期陰転を目指します。