文旦永眠しました

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2023年11月18日午前9時50分、文旦亡くなりました。
預かりボランティアのMさんと、ほるん動物クリニックの院長小島先生という恩人2人に見守られての旅立ちでした。

2022年10月頭、群馬県の動物愛護センターから引き取った文旦。飼い主が不要犬として直接センターに持ち込みました。
もうその時から体調は悪かったのですが、
明るくひょうきんで私の帰宅を喜んで出迎えてくれるような犬でした。

センターから引き取った1週間後、激しいてんかん発作を起こしました。
仕事は半休を取り、発作が収まらない文旦を抱え、半泣きでホルン先生に飛び込みました。

その時たまたまほるん先生に愛猫の通院でいらしていた、
Delacroix Dog Ranchの卒業猫の飼い主さんがMさんでした。

小島先生は、そこから1週間病院に泊まり込み文旦を看護し、
死の淵から掬い上げてくださいました。

その大発作で寝たきりになった文旦。
酸素室を借りて我が家での看病が始まりました。
徐々に食欲を取り戻した文旦ですが、
1日に何種類もの薬を何回も飲ませないとなりませんでした。
しかし小島先生の絶妙な薬調整で、
薬での症状コントロールができ、
できる限り楽しい時間を、
美味しい時間を、
愛される時間を過ごさせてあげることができました。
自力排尿が難しく1年近く尿カテーテルを入れていました。

たくさんの犬達を保護しながらの介護と看護。
やれるところまでやろうと考えていた我々に、
Mさんが文旦の預かりを名乗り出てくださったのです。

そこから代わりばんこで文旦を看護しました。
始め慣れずに苦戦していたMさんは、
みるみる文旦マスターになり、
文旦の好みを把握し、
文旦食べたいだけ美味しいものを食べさせ、
たくさん名前を呼んで、
たくさん話しかけて、
カートに乗せてお散歩にも連れ出してくれました。

文旦は、Mさん宅が大好きでした。
Mさんのご家族が大好きでした。
立派なうんちをあんなにも喜んでくださり、
文旦のワガママを愛おしく語ってくださるご家族が大好きでした。

我が家で食欲がなくなった時も、
Mさん宅に移動するとみるみる食欲が復活したりもしました。

一年以上寝たきりの文旦はここ1ヶ月食が細くなり、
この1週間はご飯が食べられなくなっていました。
「食べることは生きること」が文旦のテーマでした。

文旦は最期が分かっていたのかもしれません。
Mさんのお家への滞在中、
ほるん動物クリニックのオープン時間を狙って、
診察台の上で、恩人2人に見守られながら旅立ちました。

不要犬として持ち込まれた文旦でしたが、
不要な犬ではなかった、とMさんに言ってもらえ、
文旦のこの寝たきりの一年は意味を持ちました。

飼い主に、要らないから処分していいと言われた犬は、
たくさんの人にとっては必要な犬でした。
寝たきりでも、ワガママでも、手がかかっても、
気に入らないと噛みついても、
可愛いくて愛しいやつでした。

愛されてたね。
文旦。

応援してくださった皆さん、
本当にありがとうございました。